「報われないこと」について
自分の仕事歴を振り返って感じたことと、日頃の仕事の愚痴を徒然につづります。
「ものづくり」と「コトづくり」
僕は「エンジニア」である。一般的に「エンジニア」というと、IT系のSE(システムエンジニア)か自動車などの機械系のエンジニアかのどちらかを想像されるだろう。しかし、ものづくりに参加しない「エンジニア」だ。
じゃあ、何をしているのか。一般的に設計支援や開発支援といった「ものづくりの仕組みを作ること」と、「製品が安全であることを論証すること」が僕のミッション。
特に仕組みづくりは「コトづくり」と呼ばれることがある。「きちんとしたものを作るには、きちんとものを作るための仕組みづくり=コトが必要だ」という考え方がものづくりの基礎を支えているからだ。
人がやりたがらないことをやり続けるキツさ
僕の業務歴でものづくりをしていたのは1割程度。ものづくりは大変だったけど、コトづくりも大変だ。
- ものづくりに参加できないのでやりがいが薄い
- 業務遂行のために膨大な人や組織との折衝が必要
- 組織内で尊重されないことが多い
- 前例がないので、新しい知識を勉強し続けなければいけない
等々…。
日々納期に追われる組織の中で、「カイゼン」を呼びかけてもまず見向きもされない。みんな目の前の「ものづくり」を間に合わせることに熱狂しているから。
それに、人は「変わること」と「面倒くさいこと」が嫌いだからだ。
キツさの行き着く先
僕だって同じなのに、としょぼくれる心を奮い立たせてPCに向かい、何か作って見せる。でも見向きもされないか、何か怒られる。
さらにしょぼくれながら、本来自分の業務ではないところまでカバーする。今度は余計なことをしてくれるな、とまた怒られる。
努力しても報われないと急激にやる気を失う。でも仕事だからと色々な人に働きかける。しかし状況は変わらない。じゃあ、もっと頑張ろう。
その繰り返しの中で、僕の心は消耗していく。
最後くらいエンジニアらしく
変わるには力が必要だ。これは力学的にも大体正しい。
物事は変わるまいと抵抗する。これも力学的に大体正しい。
変わる気がない人を変えることは難しく報われにくい。これは力学的に…は説明できないな。