あふれもの日記

日々浮かんでは消えていく思考を綴っていく

「うつ病になってわかったこと」について

 早いもので、僕がうつ病の診断を受けてから9年が経ちます。この9年間でうつ病への理解やメンタルヘルスに関する施策が様変わりしましたが、なかなか治療中の個人の生の声を目にする機会は増えていないように感じます。

 このブログに書いたことは僕のケースであり、百人百様の症状や困難があると思います。僕自身の9年間の棚卸しと、もし誰かの参考になればと思いブログにまとめることにします。

参考まで、厚生労働省うつ病に関するHPのリンクを添付します。

www.mhlw.go.jp

kokoro.mhlw.go.jp

眠れない日々

  うつ病になってまず僕を苦しめたのは、睡眠がとれないことでした。人間眠れないと体力・思考力ともに急激に落ちていきます。

  • 頭の中を色々なことが回って寝付けない。
  • 夜中に仕事のことでハッと目を覚ましてしばらく眠れない。
  • 毎日計ったように午前3時15分に目が覚めて眠れない。
  • でも、朝は起きられない。

 朝は墓場から出てくるゾンビのように布団から這い出て会社に行く。だんだんそれもできなくなっていく。睡眠不足による思考力低下で仕事も思うようにできない。そのことが気になってさらに眠れなくなる。

 とてもつらいスパイラルでした。

本当に辛いのは「憂鬱」ではない

 「うつ病の人」といえば、「いつも憂鬱で膝を抱えてどんよりしてる」というのが一般的なイメージとしてまだ根強いように感じます。もちろん、「憂鬱感」が主症状の方もいらっしゃるかと思いますので、間違いではないと思います。

 ですが、僕を「うつ病」と知らずに僕と初めて会ったとすれば、僕のことを「うつ病患者」だとは感じないと思います。人前では「普通の人」を精一杯装うからです。「うつ病」だから「いつも憂鬱な人」ではないのです。逆に人前では明るく振舞います。それもまた自分の症状を悪化させるのですが…。

 うつ病が深刻化して一番つらかったのは、「自責の念」と「じっとしていられないほどの焦燥感」でした。憂鬱感は抗不安薬で少しは落ち着きます。しかし、上記二つは僕に日々自殺の方法を考えさせるほどに僕を苦しめました。

 「こんな自分ではダメだ。ここにいられない。もう死ぬしかない」

 頭の中でこのような思考がずっとグルグル回ります。この症状は今も残っていますが、自殺企図や散財、過剰な飲酒などにつながるので社会的にも身体的にも自分にダメージが大きいです。

 僕の私見ですが、病状が深刻だったり、原因が根深かったりするほどこの傾向は強いように感じます。

経過も人それぞれ

 一般的にうつ病は、「急性期」⇒「回復期」⇒「再発予防」⇒「寛解(症状が収まること)」という経過をたどるようですが、僕のように慢性化するうつ病患者も少なくないように感じます。回復期と急性期を行ったり来たりという感じです。

 僕の場合、未だに何が原因かはっきりしていません。原因が分からないので、これといった対処法もないという状態が続きます。

 「うつ病は治る」とか「うつヌケ」とか一般的にうつ病は「治る」とされているのに自分は治らないという現実が、また一層自分の心を重くさせるのです。

時には昔の話を

  うつ病にも「原因がはっきりしているケース」と「原因がはっきりしないケース」があり、僕は後者に入ると思います。

 僕はうつ病になりやすい考え方や物事の感じ方、行動の仕方が知らず知らずのうちに身についているように感じています。認知行動療法で言うところの「認知のゆがみ」に当てはまりそうですが、自分でも無意識のうちにそのような思考形態や行動様式にハマっているので「認知」するのも容易ではありません。

 僕は医学的なケアのほかに、心理学的なケアも必要だと感じカウンセリングを受けています。カウンセリングで過去の出来事を思い出しながら、自分の「無意識」に気付く試みをしています。非常に根気のいる作業ですし、即効性もありません。カウンセリング自体で過去の心の傷をえぐるときもあります。

 しかし、過去の自分が築き上げた「何か」が今の自分を苦しめているとしたら、それにフタをしてもまた同じ苦しみを繰り返すだけだという考えが、カウンセリングの必要性を感じさせているのかもしれません。

 カウンセリングについては、効果や受ける時期が人によって異なるため、主治医ときちんと相談することが重要です。

最後に

  読み返して、まとまりのない文章になってしまったことに自分の未熟さを感じるとともに、今も試行錯誤している自分が浮き上がってきたように感じます。

 「生き方を変える」という試みが、今のところの僕の根本治療のように感じています。

いつ変わるのか、変えられるのか。

「今でしょ」